外出前に少女が残した一言。
「今日は何の日か知ってるか?知らないんだったら階段の三段目を探してみな」
意味がわからずに階段に向かう母。そこには犬のぬいぐるみと共に、謎の手紙が。
「ケーキの箱を見ろ」
居間にある箱に向かうも、母が見つけたのは第二の手紙。そしてそこには、さらなる指示が…。
果たして手紙にこめられたメッセージは?
彼女は真実にたどりつくことができるのか?
少女の真の目的は何なのか?
絵本を整理していて
息子も小学校高学年になり、小説を読むようになってきました。
本棚がいっぱいになってきたので、もう読まなくなった本を整理。
そこで久しぶりにみたこの絵本。
瀬田貞二 作・林明子 絵の絵本、「きょうはなんのひ?」です。
懐かしいなぁ。これ、私がまだ頬をピンク色に染めていた頃wに、大好きだった絵本。
息子にも読ませたくって、文字が読めるようになってから再購入した一冊です。
あらすじは本記事冒頭の内容を、100倍ぐらいマイルドにした感じ。
娘のまみこちゃんが学校に行く時に、
「おかあさん、きょうは なんのひだか、しってるの? しーらないの、しらないの、しらなきゃ かいだん 三だんめ」
とお母さんに謎かけをします。
お母さんはまみこちゃんが隠した手紙の指示を追って、家中を歩きまわることに。
そしてお父さんが帰ってきてから、楽しい種明かしが…。
ミステリー要素が楽しい
絵本「きょうはなんのひ?」。これ、意外と読んでてドキドキするんですよね。
手紙の指示がだんだん暗号っぽくなってきて、先が読めません。
「おんがくもときどきおさらいなさいませ」とか、「めったにきがつかないところ」など、まみこちゃんの指示も段々凝ったものになってきます。天才か。
ラストもひとひねり。実は手紙にはちょっとしたしかけがあって、「あ、そういうことだったのか!」と思わずニヤリ。
まみこちゃんの天才ぶりに、またしても戦慄が走ります。
思えばこの絵本が、私がミステリー・推理小説好きになった原点のような気がします。
ホームズ以前に出会った「きょうはなんのひ?」。この絵本を読んで幼心に味わったドキドキ感が忘れられずに、今でもおもしろい推理小説を探しているのかもしれません。
オススメの絵本
そんな思い出の詰まった「きょうはなんのひ?」。今読み返してみるとイラストが実に美しい。
それぞれの絵の書き込みが細やかで、子どもの頃には気づかなかった発見が多々あります。
絵柄もとてもあたたかみが感じられるテイストで、大人も優しい気持ちになれる絵本なのではないでしょうか。
初版は1979年ということで、かれこれ30年以上前(!)の絵本ですが、今見ても決して古くなく、そして色褪せない魅力があります。
また本屋さんで見かけたら、まみこちゃんの茶目っ気たっぷりの謎かけに触れてみてください。
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