ブログなど書いていると、文章力を向上させたい、と常々感じます。
そこで読んだのが「博報堂スピーチライターが教える 短くても伝わる文章のコツ」。
著者は、大手広告代理店・博報堂でスピーチライター・クリエイティブプロデューサーをされている「ひきたよしあき」さん。
短い言葉で、ズバッと言いたいことを書く。そのためのポイントをまとめています。
これがなかなか、ためになる本でした。本記事では、そのエッセンスの一部をご紹介。
収録内容
「博報堂スピーチライターが教える 短くても伝わる文章のコツ」は、以下の全5章で構成されています。
- 第1章 文章力は「要約力」で決まる!
- 第2章 わかりやすい文章の”骨格”をつくる
- 第3章 ちょっとした工夫で読み手の印象は劇的に変わる
- 第4章 スピーチライター流 文章力を磨くトレーニング
- 第5章 ケース別 相手の心を動かす文章の書き方
第1章では、要約のポイント・要約文のまとめ方など、「要約力」の磨き方について。
第2章では、要約をもとに、実際の文章を書くためのコツについて。
第3章では、組み立てた文章に工夫を加え、より読みやすく・相手に興味を持ってもらうためのコツについて。
第4章では、著者が文章力をアップするために、実戦しているトレーニングについて。
第5章では、企画・提案書、エントリーシート、手紙、メール、SNSなど、実践的な文章の書き方をケース別に紹介。
以上の内容で、「短くても伝わる文章のコツ」を知ることができます。
役に立つポイント
以下、本書を読んで、個人的に特に有効だと感じたポイントを、抜粋して3つご紹介。
重要な3つと「ベストワン」
第1章の「文章の密度を高める『3つの中のベストワン』」より。
本や資料の中から、最も重要と思われる3つを選んでみる。
なぜ3つか?
それは、「3」という数字が「調和の数字」と呼ばれており、人を納得させる力があるから。記憶に残る内容は、「3点」であることが多い。
さらにその3つを比較検討し、最も重要なベストワンを選ぶ。
3つを選び、それらを比較して選んだ一つだからこそ、文章に説得力が増す。
相手本位の順番で書く
第2章の「相手本位の順番で書く」より。
短文では、前置きを無くし、相手(読み手)が興味のある言葉で注目を集める。
例えば
「高速道路の雪道制限が出ました。タイヤにチェーンを巻いて走行してください。」
よりも、
「タイヤにチェーンを巻いて走行してください。高速道路の雪道制限が出ました。」
の方が伝わりやすい、ということ。
相手が得する情報を先に与えることで、文章を読まれやすく・わかりやすくする。
特にSNSのような、スクロールで閲覧される文章で有効。
小学4年生にも伝わる言葉を選ぶ
同じく第2章、「小学4年生にも伝わる言葉を選ぶ」より。
できるだけ多くの世代に伝わる文章を書くためには、小学4年生でもわかる言い回し・言葉を選択する。
なぜなら、小学4年生あたりから、社会生活で必要な言葉を習うようになるから。
一部の人にしかわからない言葉を使い、理解できない人を排除するような書き方をするよりも、小学生でもわかる文章を書く。
そのことが、全世代に理解してもらえる文章に繋がる。
本書の文章そのものが参考になる
…といった感じで、個人的に印象に残った3つのポイントを紹介しました。
早速「3」という数字を取り入れてみましたが、いかがでしょうか。
さて「博報堂スピーチライターが教える 短くても伝わる文章のコツ」では、これ以外にも、わかりやすい文章のコツに関するエッセンスが数多く紹介されています。
しかし読んでいて気づくのは、「この本の文章自体が、わかりやすく、読みやすい」ということ。
第1章から、下記の文章を引用します。
スピーチライターの仕事は、得意先のスピーチやコメントを書く仕事です。書かれたものは、私の文章ではなく、得意先の声にならなければいけません。
読点(「。」)までの文が、長くもなく、短くもなく。また句点も適切な箇所で打たれ、スムーズに読むことができます。
またポイントでご紹介したように、平易な言葉でつづられているのが、よくわかります。
著者・ひきたよしあきさんの文章は、全編にわたって、こんな感じのわかりやすい文章。
それぞれの章・段落で紹介されているコツを学ぶとともに、本文を読むだけで、わかりやすい文章のリズムを掴むことができ、参考になります。
まとめ
以上、ひきたよしあきさん著「博報堂スピーチライターが教える 短くても伝わる文章のコツ」のご紹介でした。
本書は本当に文章がわかりやすく、読みやすいので、簡単に読むことができます。さらに2周・3周と繰り返し読むことで、文章のリズムを感じられるのが素晴らしい。
ブログやメール、ビジネス文書などで、わかりやすい文章を書きたい、文章力をアップしたいという方に、オススメの書籍です。
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