中学生の国語の教科書で、今でも記憶に残っている二つの小説があります。
星新一氏の「繁栄の花」と、かんべむさし氏の「車掌の本分」です。
「繁栄の花」は、おなじみ星氏のSF短編で風刺の効いた内容。
「車掌の本分」は「とある電車」の運転手と車掌が主人公の、ちょっとシュールで考えさせられるお話。
これらはいずれも中学生のとき、光村図書の国語教科書で読みました。
教科書は地域によって違いますが、光村図書出版 – Wikipediaによると
以前から国語教育の光村と称されるほど、日本国内で使われる小学校・中学校用の国語教科書において、同業他社の追従を許さないほど高いシェアを誇っている。
とあるので、読まれた方も多いのではないでしょうか。
「車掌の本文」は光村ライブラリーで読める
さて、とある日、私はどうしてもこの二編が読みたくなってしまいました。
調べたところ、「繁栄の花」は収録されている単行本がありそうだったのですが、「車掌の本分」はどうしても収録されている本が分かりませんでした(多分ない、と思います)。
「う~ん、どうしよう…。本屋で教科書とか売ってるかな…」
と思い、とりあえずジュンク堂書店をうろつきまわったところ、こんな本が。
これこれ!お猿の車掌と電車が描かれた表紙イラストはまさに「車掌の本分」。
これは「光村ライブラリー・中学校編 2巻」です。
「繁栄の花」「車掌の本分」とも、それぞれ和田誠氏、長新太氏の挿絵つきで収録。まさに私の目的にジャストマッチな本です。
他の収録作は「アンネの日記」「クロスプレー」「アンの告白」「一塁手の生還」です(おそらく教科書掲載時の形で収録されていると思われます)。
懐かしの話を今も読める喜び
光村ライブラリーをその場で購入し、早速「車掌の本分」を拝読。
なつかしい思いと、当時はわからなかった話の深みなど、新たな発見もあり、満足しました。
また「繁栄の花」など他の作品も「ああ、そういえば授業で読んだなぁ…」などと、懐かしく思いながら楽しみました。
昔の教科書なんてもう見ることもない、と思っていましたが、思春期に受けた影響って大きいものですね。
しかし「光村ライブラリー」のような、かゆい所に手が届く本が出版されるなんて、便利な世の中になったものです。。
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