SFにあまり詳しくないけど、おもしろいSF小説を読んでみたい…
という方にオススメの、ハヤカワSF小説をご紹介。
ふわふわの泉
まずは野尻抱介「ふわふわの泉」。
この「ふわふわの泉」は、第33回星雲賞(国内のSF文学賞)を受賞した作品。
もともとはファミ通文庫から出版され、のち絶版となっていたものが、2012年にハヤカワ文庫から再販された小説です。
ふとしたアクシデントから、ダイヤモンドより硬くて空気より軽い物質「ふわふわ」を産みだした、高校二年生・浅倉泉と一年生・保科昶(あきら)。
彼らは金儲けのために「ふわふわ社」を起ち上げ、あれよあれよというまに大企業に成長させることに成功。
そして「ふわふわ」の可能性は、やがて彼らを宇宙へ…といったあらすじ。
ライトでお気楽、それでいて本格的なSF小説。これはホントにおもしろい!
特にSFがちょっと苦手、という方に手にとっていただきたい小説です。
科学的な知識も豊富に描かれますが、それは決して堅苦しくなく、むしろ本作の魅力は泉たちの軽妙な会話にあり。
テンポ良く、一気にラストまで読めるでしょう。
「ふわふわの泉」がおもしろかったら
そしてもう少しハードなSFを読みたい、と思われたなら、さらに次の野尻抱介作品2つをオススメします。
太陽の簒奪者
水星から突如ふきあげられた鉱物資源が、太陽をとりまくリングを形成。日照の激減により、人類は破滅的な危機を迎える。
異星文明へのあこがれを持つ日本人科学者・白石亜紀は、宇宙艦ファランクスに乗船し、破壊ミッションへと旅立つ…というSF長編小説。
地球の危機と、異文明とのファーストコンタクトという、SFの定番テーマを描いた、手に汗握るSF小説です。
こちらも結構な科学知識が描かれますが、ストーリーメインで追っても充分楽しめるでしょう。
沈黙のフライバイ
こちらは短編集。
地球外文明との「静かなるファーストコンタクト」を描いた表題作「沈黙のフライバイ」ほか、「轍(わだち)の先にあるもの」「片道切符」「ゆりかごから墓場まで」「大風呂敷と蜘蛛の糸」の、計5編を収録しています。
「大風呂敷と蜘蛛の糸」は、女子大生がふとしたきっかけから有人巨大凧に乗り、高度80kmを目指すお話。
どことなく、「ふわふわの泉」に通ずるワクワクを感じます。
広大な宇宙へのあこがれを抱かずにはいられない一冊。 短編がお好きな方に。
その他、ハヤカワの国内SF作品
「時砂の王」「第六大陸」でおなじみ、小川一水氏の時間SF長編。トリッキーな構成がおもしろい。
最後、野尻抱介氏の「ロケットガール」シリーズ。1~4まで一気買い。タイトルがちょっとアレですが(笑)、野尻作品ということで間違いはないでしょう。
というわけで「ふわふわの泉」他、オススメのハヤカワSF小説作品のご紹介でした。
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