【小説】夏に読みたいおすすめのホラー小説10選 | ネットタイガー

【小説】夏に読みたいおすすめのホラー小説10選

「読書の夏」、ということで夏に読みたいおすすめのホラー小説をご紹介。怖い、と一口に言ってもグロテスクな怖さ、心理的な怖さ、ビックリ箱的な怖さなど色々なタイプがありますが、「古典的にじんわりくる怖さ」な小説が多いかと思います。なお紹介する小説が「夏」に関係している、というわけではありません。予めご了承を。

※本エントリーの書籍紹介は全てAmazonより引用しています。

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小松左京「霧が晴れた時」

太平洋戦争末期、阪神間大空襲で焼け出された少年が、世話になったおやしきで見た恐怖の真相とは……!? 名作中の名作「くだんのはは」をはじめ、小松左京の家に伝わるおまじないが創作のヒントとなった「まめつま」、謎の生物と神話的世界を交錯させた「黄色い泉」など、小説界に今なお絶大なる影響を与えつづける小松左京のホラーテイスト作品を選りすぐった傑作短編集。小松左京ライブラリによる詳細な解説を収録。

何度でもおすすめしよう!小松左京大先生の恐怖小説集。知らぬ間にKindle版が出てました。手持ちは大分汚れてきたから買い換えようか…。それはともかく、SF・伝奇・怪奇など幅広いジャンルを収録。第二次大戦末期、神戸のお屋敷で少年が経験した怪異を描いた名作「くだんのはは」はじめ全15編収録。山で遭難した父子が気づいた異変ー「霧が晴れた時」、日本人写真家が追い求める謎の鳥ー「保護鳥」、恐怖の因果に取り込まれた人々ー「秘密(タプ)」などなど、どれを読んでも背筋がゾクリとする恐怖の金太郎飴。

森見登美彦「きつねのはなし」

「知り合いから妙なケモノをもらってね」籠の中で何かが身じろぎする気配がした。古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やがて先代より預かったという“家宝”を持った女が現れて(「水神」)。闇に蟠るもの、おまえの名は? 底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。

若き女性店主が営む古道具屋でアルバイトをする青年が、ふとした失敗から得体の知れない取引に遭遇する表題作「きつねのはなし」他、「果実の中の籠」「魔」「水神」など古都・京都を舞台にした小説全4編を収録。京都って歴史の重みでしょうか、やっぱり雰囲気ありますね。そしてそこからくる、ちょっとした暗がりにも何か潜んでいるような、仄暗い恐さが全編に詰まっています。

津原泰水「蘆屋家の崩壊」

幻想怪奇譚×ミステリ×ユーモアで人気のシリーズ、新作「奈々村女史の犯罪」(書き下ろし)を加えて再文庫化。猿渡と怪奇小説家の伯爵、二人の行く手には怪異が――。

「あしやけのほうかい」と読みます。無職の「おれ」と小説家の「伯爵」が出会った恐怖を描いた短篇小説。全8編収録。冒頭作「反曲隧道(かえりみすいどう)」は7ページという短さながら、その構成に思わずニヤリとしてしまう秀作。「ホラー小説」というよりは「怪奇小説」といった表現の方がしっくりきます。「猫背の女」は怖すぎ。作者の津原氏は近藤ようこ氏がコミック版を描いた「五色の舟」の原作者でもあります。

津原泰水「ピカルディの薔薇」

人気シリーズ第二弾、初の文庫化。作家となった猿渡は今日も怪異に遭遇する。五感を失った人形師、過去へと誘うウクレレの音色――。

「蘆屋家の崩壊」に続く「おれ」の物語。「伯爵」は登場回数少なめ。「蘆屋家~」よりは少し幻想色が強めかな?しかしその怪奇度は相変わらず高し。五感のない人形師の狂気を描いた表題作「ピカルディの薔薇」他、全9編。ところで「蘆屋家の崩壊」には集英社文庫版とちくま文庫版があり、収録作の一部が異なります。ちくま文庫版で収録されていない「超鼠記」はちくま文庫より発売されたこの「ピカルディの薔薇」に収録されていますので、ちくま文庫版を揃えるのがよいでしょう。

篠田節子「神鳥-イビス」

夭逝した明治の日本画家・河野珠枝の「朱鷺飛来図」。死の直前に描かれたこの幻想画の、妖しい魅力に魅せられた女性イラストレーターとバイオレンス作家の男女コンビ。画に隠された謎を探りだそうと珠枝の足跡を追って佐渡から奥多摩へ。そして、ふたりが山中で遭遇したのは時空を超えた異形の恐怖世界だった。異色のホラー長編小説。

明治の画家によって描かれた朱鷺の日本画。その妖しい魅力に魅せられた女性イラストレーターとバイオレンス作家が遭遇した異形の世界。拙記事「私の好きな篠田節子作品10選」でもご紹介していますが、私が読んだ篠田節子氏の小説の中ではグンバツ(死語)の怖さ。未知との遭遇から恐怖世界へ誘われていく様がとてもうまくて引き込まれます。和風ホラー好きの方におすすめ。

本谷有希子「江利子と絶対」

引きこもりの少女・江利子は、拾った犬に「絶対」と名付けた。「絶対に自分の味方」となることを求め、その犬の世話をする江利子。ところが、電車の横転事故の跡を見たとき、事件が起きた(表題作)。人間の深奥に潜む、悪意、ユーモア、想像力を、鋭い感性で描いた3作品。文学界に衝撃を与えた鮮烈なるデビュー作。

表題作「江利子と絶対」他、「生垣の女」「暗狩(くらがり)」の三編の小説を収録。「江利子と絶対」「生垣の女」はホラーではありませんが(「生垣の女」は違う意味で怖いけど)、小学生三人組が忍び込んだ家で遭遇する恐怖を描いた「暗狩」がとにかく怖い!追い詰められる恐怖がとことん味わえます。ひきこもりの妹・江利子と「ゼッタイ」と名づけられた犬を姉の視点から描く表題作も、非ホラーですが味わい深いおもしろさ。

貴志祐介「黒い家」

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに……。

ベタいけど、これも外せないホラー小説の名作。京都の生命保険会社で働く主人公が、尋常じゃない顧客に出会って体験する悪夢。貴志祐介作品としては初期のものですが、恐怖度合いはトップレベル。サイコパスの怖さが存分に味わえます。真夏の深夜に一人で手に汗握りながら読みたい一冊。おすすめ。

鈴木光司「リング」

同日の同時刻に苦悶と驚愕の表情を残して死亡した四人の少年少女。雑誌記者の浅川は姪の死に不審を抱き調査を始めた。――そしていま、浅川は一本のビデオテープを手にしている。少年たちは、これを見た一週間後に死亡している。浅川は、震える手でビデオをデッキに送り込む。期待と恐怖に顔を歪めながら。画面に光が入る。静かにビデオが始まった……。恐怖とともに、未知なる世界へと導くホラー小説の金字塔。

これまたベタいけど「リング」。あの「貞子」を一躍人気者?にした記念すべきホラー小説シリーズの第一作。発売当時むさぼるように一気読みしました。ビデオテープを小道具に使ったのが斬新。超能力・病院・井戸・そして死のタイムリミットなど、ホラーならではの要素がふんだんに使われているのがヒットの要因か。続編に「らせん」「ループ」がありますが、これ一冊で終わっても充分おもしろいです。鈴木氏の作品としては他に「仄暗い水の底から」もおすすめです。

恒川光太郎「秋の牢獄」

11月7日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。朝になれば全てがリセットされる日々。この繰り返しに終わりは来るのか──。圧倒的な切なさと美しさに満ちた傑作中編集。

「夜市」の恒川光太郎氏による短編小説3つ。表題作「秋の牢獄」他、「神家没落」「幻は夜に成長する」を収録。これはこれまで紹介してきたものに較べて恐怖要素は控えめですが、「角川ホラー文庫」なので一応ホラー小説ということで。とある水曜日を何度もリプレイしてしまう表題作、そして謎の家に囚われた男とその家の顛末を描いた「神家没落」は、静かでゆるやかな怖さを感じさせてくれます。

スティーブン・キング「1922」

かつて妻を殺害した男を徐々に追いつめる狂気。友人の不幸を悪魔に願った男が得たものとは。巨匠が描く、真っ黒な恐怖の物語を2編。

ついにKindle版も発売されるようになった巨匠・キングのホラー小説。息子とともに妻を殺害してしまった男が破滅へと突き進む様を描いた、古典的ともいえる恐怖小説です。丹念に描写される男の心理にいつしか同調してしまうのは流石ホラーの帝王。映画化された作品のような派手さはありませんが、それが地味にいい。表題作他、「公正な取引」を収録。紙書籍発売時に同時に出版された「ビッグ・ドライバー」もおすすめ。

まとめ

以上、「夏に読みたいおすすめのホラー小説10選」でした。私は怖い本は夜中に一人で読むのが好き派なのですが、ご覧の皆様はいかがでしょうか。あまりハマりすぎるとふとした物音にも「ビクッ」となって心臓に悪いのでホドホドにしましょう。

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