高野文子「ドミトリーともきんす」―『科学者たちの言葉』を伝えるおすすめの漫画 | ネットタイガー

高野文子「ドミトリーともきんす」―『科学者たちの言葉』を伝えるおすすめの漫画

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書店に立ち寄ったところ、とある漫画を発見。おお!高野文子「ドミトリーともきんす」ではないか!初めて書店に並んでいるのを見ました。以前から気になっていた本です。ネットで注文しようかどうか迷っていたのですが、現物を手に取ると矢も盾もたまらずそのままレジへ。

この漫画「ドミトリーともきんす」は「科学者たちの言葉」を紹介し、そして彼らが残した本の読書案内をしてくれます。登場人物は「とも子さん」と娘の「きん子ちゃん」、そして4人の科学者たち。とも子さん母娘がもしドミトリー(本作では学生寮を指す)をしていたら?そしてそこに4人の科学者が寮生として住んでいたら?という「if」のお話です。「4人の科学者」は朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹の4方です。

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「ドミトリーともきんす」って、こんな漫画

第一話「トモナガくん おうどんです」では、とも子さん、きん子ちゃんがトモナガくん(朝永振一郎)とうどんを食べながら、鏡の世界の不思議について談義します。そして最後に朝永氏の著作「鏡のなかの物理学」をとも子さんが紹介してくれます。ちなみにこちらの第一話は下記より試し読みができます。

2012/11/08 更新 ◎この連載が本になります 2012年11月から2014年2月までお届けしてきた本連載をまとめた単行本が、9月25日に発売となります。単行本の最新情報はこちらの特設サイトでご確認ください。 連載時、読者のみなさま...

各話の形式は概ねこのような感じ。母娘が寮生の研究内容に楽しく触れながら、彼らの残した書物を紹介する。自然と読者の理解が深まる形式でわかりやすい!ド文系の私でも気張ることなく、楽しんで読め、また紹介されている本にすごく興味を持てました。

また漫画としても非常に秀逸。高野氏の書籍を読むのは初めてだったのですが、シンプルでオシャレ、デザイン性の高いイラストチックな絵柄に引き込まれ、一気にファンになってしまいました。レトロなようで新しい、止まっているようで動きを感じる、非常に不思議な絵柄。何度も読み返したくなる魅力があります。

そして本書の大きな特徴である「読書案内」。洗練された流れで紹介されている本の数々、どれも読んでみたくなります。特に朝永振一郎「鏡のなかの物理学(「鏡の中の物理学」所収)」と中谷宇吉郎「簪(かんざし)を挿した蛇(『中谷宇吉郎随筆集』所収)」がおもしろそう。中谷氏は生涯を通して雪と氷を研究した物理学者。青空文庫でも氏の随筆が読めます。興味を持たれた方は「線香花火」などいかがでしょうか。

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ちなみにこの本、書店で見て初めて知ったのですが、漫画単行本としては大きいサイズ。B5判です。文庫サイズの本と比較してみました。大きいですね。しかしこのサイズで出版したこと、大正解だと思います。高野氏のキレイな線は、小さな本よりも大きいほうが断然映える。

まとめ

というわけで高野文子「ドミトリーともきんす」。買って良かった!と素直に思えるおすすめの一冊でした。巻末に収録の「Tさん(東京在住)は、この夏、盆踊りが、おどりたい。」も必見。「盆踊り」を分解して漫画表現したデザイン性の高い作品です。また高野氏の別の著作も読んでみたいと思います。

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